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レバレッジマネジメント [経営]


レバレッジ・マネジメント―少ない労力で大きな成果をあげる経営戦略』

レバレッジ・マネジメント―少ない労力で大きな成果をあげる経営戦略』

  • 作者: 本田 直之
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2009/01/16
  • メディア: 単行本


レバレッジマネジメント

考える経営者になるための思考法を説明している。

ます、1番目は、考える時間を作る。

次にできない理由を考えるのをやめるなどの

常に現状を見直し、考える癖をつける。

また、2番目は、素直に聞く耳をもつ。聞いた内容を自分の思考に照らし合わせて取捨選択する

ことも合わせて重要だ。

4番目は、良い考えや、行動を無意識でできるように努力する。イチローの例をだすと

イチローを天才たら占めているのは、毎日のトレーニングを習慣化していることだと

書いてある本もある。無意識でできるように小さなことから習慣化すること。

自分がやっていることに中でやらなくてもよいことは何かを考えることも大事だ。

5番目、やらないことを決めれば逆にやるべきことが見えてくる。少ないリソースで集中的に

経営するためにもやらないことを決め、やるべきことに集中することは大事だ。

6番目 現代のように、先が読めなくなった時代には、どういう流れになっているか

時代の流れをよむ事も経営者必要なことだ。そのためには、

自分で仮説を持ちたえず検証する。

さらに、7番目、一度の成功を繰り返し再現するために、ルーチン業務は仕組み化したり

20:60:20の法則で上位20%の人、自分で考えてポジティブに行動できる人を支援する

ことで会社全体の業績があがると著者は、体験的に説明している。

上の7つの基本法則いがいにも、本当にほしいものを意識して明確にしていれば

常に目につくカラーバス効果により必ず手に入れることができる。決算書は

現在の数字と過去の数字を同じ時期で比べて問題点を見つける手法や

決算書の数字は常にパーセンテージにして考える。など

経営者としての著者のノウハウが詰まった本だ。

レバレッジ・マネジメント
2009年1月29日 発行
著 者 本田直之
発行所 東洋経済新報社

レバレッジ・マネジメント―少ない労力で大きな成果をあげる経営戦略』

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下町ロケット [経営]


下町ロケット

下町ロケット

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/11/24
  • メディア: 単行本



宇宙開発公団でロケット設計技師だった主人公 佃 航平が、
ロケットの打ち上げに失敗するところから物語は、始まる。
失敗の責任をとり、宇宙開発公団をやめて7年。
父親の町工場をついでいる。そこで、経営者だが、
ロケット開発の夢を捨てられず、水素エンジンのバルブの基本特許
を取得していた。
だが、水素エンジンのバルブの開発は、本業に結びつかないので
周りからは、あまり好感を得られていない。
そこに、同業の大企業 ナカシマ精機から他の特許の周辺特許を固められ
逆に特許を侵害していると訴えられる。

それは、大企業のM&A戦略の一環だ。多くの企業を特許をもとにM&Aし
てきたその黒い戦略から弁護士の神谷によって逃れる。
逆に相手の特許の不正使用を逆告訴して、訴えられていた告訴も和解に持
ち込むのだ。
さらに訴えた告訴の和解で相手から56億円の特許使用料を得る。

次の展開は帝国重工が、宇宙ロケットの商業化のために、ロケットを開発して
いるがそのキーデバイスである、水素エンジンのバルブの特許を
佃が持っているため、回避できない。売ってくれるように
頼みにくる。佃は、その特許を売ろうとしない。
その特許を使った水素エンジンのバルブを帝国重工に納入させてくれるように
逆に頼みこむ。

帝国重工側では、宇宙航空部 財前部長、特許の取得が数ヶ月遅れた
原因となった富山主任、宇宙航空部門 本部長水原などが
帝国重工の自前の技術のほうが高いという大企業のプライドから、
相手を見下した対応したり、中小企業は特許をすぐ売るはずだという
考えで対応している。

しかし佃の宇宙ロケットに対する強い思いに
翻弄され、仕方なく企業の財務審査や、納入のための技術テストなどを
おこない、審査や評価を通して佃製作所のもの作りに真摯な考え方を
理解していく。

そんなふうに話は進んでいくが、
銀行から出向している殿村や、技術部の若手 真野 、営業部若手の
江原などそれぞれ特徴的で、主張する人物像が町工場の経営に
絡んで話は、起伏にとんでいく。

実際の下町の工場経営における知的財産権のリスクや
経営方針の合意形成などシミュレーションとしてみることもできるが、
水戸黄門のような完全懲悪と正義は勝つという話の進め方に
爽快な気分で楽しめる。

下町ロケット
2010年11月29日 初版第一刷発行
2011年7月30日   第三刷発行
著 者 池井戸潤
発行所 株式会社 小学館
405ページ 
¥1700E


下町ロケット

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スティーブ・ジョブズ「超」仕事力 [経営]


スティーブ・ジョブズ 「超」仕事力

スティーブ・ジョブズ 「超」仕事力

  • 作者: 竹内 一正
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2009/04/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


スティーブ・ジョブズ「超」仕事力

アップルの成功は、スティーブ・ジョブズに負うといっても
過言ではない。これは誰からも異論はでないのではないか。

それが証拠に、ジョブズがアップルを天才ウォズニアックと作った。
そのウォズニアックを見捨てて、アップルを大きくするために
広告手法をジョン・スカリーから取得し、そのジョン・スカリーを追い出そうと
して逆にアップルから追い出された。
その後、アップルの低迷により、再度アップルに迎えられた
ジョブズは、iPodをつくり、それをきっかけに、iPhone,iPanなど
をだしてきた。
もちろんアップルには、ジョブズ以外に、それぞれの分野で
天才といえる人達が参加している。ジョブズ自身、一流という
人しか相手にしないからだ。
しかし、その人達をまとめて、消費者の視点で、製品にこだわり
納期より製品に要求する機能を満たすジョブズのこだわりが
消費者に受け入れられてきたのだということがこの本を読むとわかる。
製品に求められるのは、企業側の都合ではなく、消費者側の
視点だということ。使いやすさに対するこだわりがアップルの
すべてだと思う。
しかし、この本を読んで改めて思うのは、ジョブズとは、
仕事はしたくないということだ。例え、一流と認められても
ジョブズと考え方をあわせられなければ、ジョブズはべつの人を連れてくる。
一時的にジョブズの目的のために、アプローチしても
目的を達成すれば、別のことに向かっていく。
そういう人でなければ新しいことはできないということも事実なのかも
しれないが。

スティーブ・ジョブズ「超」仕事力

 2009年5月1日 初版発行
 2009年5月20El第2刷発行

 著 者 竹内一正
 発行者 杉本淳一
 発行所誓書日本実業出版社
 221ページ
 ¥1300E

スティーブ・ジョブズ 「超」仕事力

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Hot pepper ミラクルストリー [経営]


Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方

Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方

  • 作者: 平尾 勇司
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本


Hot pepper ミラクルストリー

事業の再生のための教科書にぴったりだと
読んで思った。

Hot Pepperの前に、「サンロクマル」という同じような
無料の街の情報誌があったのをご存知だろうか

サンロクマルは、だめな事業の典型のような事業だ。
いろいろな情報、統率のとれていない組織、その場しのぎの
やりかた、広告をとるための広告料の際限ない値引き、手間のかかるいろいろな形式の広告の構成、
各地での状況にあわせるという名目のさまざま運営方法。

著者がサンロクマルを運営している事業部に来て
サンロクマルをHot Pepperにかえ、
ムダなものを捨て、飲食業を選択し、広告のスペースを統一
営業のやり方を決め、なぜ、そのやり方が必要なのか理由を
明確にして立て直した。

事業部内での議論に
「顧客ニーズは多様化するというが、その多様化は数字でいうと
いくつだ」というのが出てくる。
われわれは、議論していて相手の話を理解しすぎるということに
気がつき反省した。

「大阪と札幌では事情が違うので大阪では、広告は、そのやり方ではとれない」
いかにもどこにでもあるような意見であり、多くの人はそれ納得してしまう。
しかし、大阪のカレーも札幌のカレーも定価は変わらないが
広告単価が3倍も違うのは、マーケットや商習慣の差ではなく
自分達自身での既成概念の差である。ここに着目して
「原因は自分の中にある」「共通のものさしを発見して共有する」
などの考え方を浸透させていく。


「目標だけあって、目的が説明されない事業はすくなくない」

目標を達成したときの目的が世の中を変える、街を動かす。
人を幸せにするなどの壮大な目的であればあるほど数字である
目標は意味を持つと著者はいう。

事業には、目標を達成するために、勝つシナリオをリーダが作ることが必要だ。
Hot Pepperでは、半径2Kmの商圏で、電話帳にのっている飲食店の15%をとる。
という目標をあたえ、それに対して1/9スペース(定型化された一こま)を
3回連続で受注する。
その目標を達成するために
営業は1日20件飛び込み営業をする。

この数字には意味がある。市場の新規店1000件の15%の150件を
3ヶ月で獲得するには、新規で50件。それを15人の営業マンが
毎月3件獲得する計画だ。商談率10%、商談決定率25%
1件への複数訪問回数3回。この条件で
22日働くと440件訪問するが複数回数3件なので146店が1ヶ月の
訪問店数。そのうち商談できるのが10%さらに商談決定率25%と
すると146件に掛け合わせて3.6店という新規獲得店数がでる。
つまり1日20件新規飛込みをする理由だ。

このように意味のある行動をすれば、それをやりきるだけで
成功していくという著者の考え方は参考になる。


Hot Pepperミラクル・ストーリー
2008年6月5日 第1刷発行
2008年7月28日 第4刷発行
著 者 平尾勇司
発行 東洋経済新報社
233ページ
¥1500E

Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方

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グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた。 [経営]


グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた

  • 作者: 辻野晃一郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/11/22
  • メディア: 単行本


グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた。

ソニーとグーグルで、事業の責任者として活動した経歴のある著者が
なぜ、ソニーがだめになっていて、グーグルが、伸びているか
内部の経験を披露している。
ソニーでの部門の事業責任者であった著者は、ソニー経営層の過去の輝きに浸りきって
危機感のない方針や自分の提案を受け入れてもらえない、妨害をうける社内政治の状況などに
嫌気がさしてソニーをやめた。

ソニーでの事業責任者の経歴を買われてグーグルに入った著者は
グーグルの中でかつてのソニーにあった、雰囲気ややり方に出会い
またソニーを含めた日本の企業が新しいネットワークの時代についていけなくなった
理由に、いきついた。

「その一つとして、グーグルの収益体制はオンライン広告だが、活動資源をそこに任せている。
それ以外の活動はビジネスモデルとして存在せず、そこで細かな採算を心配する必要はない。
通常の会社は、事業部制で、どんなすぐれた技術も限られた時間軸でプロダクツとして
利益を出す必要があるため、徹底的に技術だけを追い詰めるという基本スタンスは
とりにくい。

一方グーグルでは、インターネットに革新をもたらす技術や活動については
お金の事は、心配せずそこだけに自分の才能とエネルギーを集中して投下し続ける
ことができる。」

技術者をマネージメントして成果を出すさまざまな試みが、多くの場合失敗するのは
マネージャーが専門的で細分化した技術についていけないので、技術者に
マネージメントが判断できるような資料を提出させることになる。
その部分に技術者が関わると、時間をとられるだけでなく、上手く立ち回ろうとすると
逆に、対象としている技術自身に技術的な先進性や先端性が損なわれていく。

例えば、製品の採算性にこだわり、製品の良い部分を殺して、コストを下げるために
その機能を中途半端なものにするなどの経験は多くの技術者が、している。
中途半端に機能をつけてコストをさげて市場にだす行為が、経営的に正しかったどうかは、
市場の判断に任せない限りわからないままだ。その機能がすばらいいものであり、ユーザーが
満足いくものであれば、製品の値段が高くても消費者は購入し、ヒットするかもしれないからだ。
そこを見極めるのがマネージャーの役割だが、多くの人の意見の一致する角のとれた商品など
そこらじゅうにありふれていて売れるわけがない。

時代が多様化し、グローバル化した時代になると多くの考え方がでてくるので
グーグルのような経営方法が取れる会社でないと今後は、ますます創造的
技術は生まれにくい。

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた

著 者 辻野晃一郎
6刷 2011年1月25日
株式会社新潮社
258ページ
¥1500E

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた


“ウォークマン”Zシリーズ ストア限定モデル誕生秘話

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企業とは何か [経営]


企業とは何か

企業とは何か

  • 作者: P.F.ドラッカー
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2005/01/29
  • メディア: 単行本


企業とは何か

P.F。ドラッカーが1946年に書いた本が21世紀になってもまだ
マネジメントの本として読み次がれている。

マネジメントの本質は、ドラッカーが戦時下のGMのなかで見出したことが
今も変わっていないということなのだろう。

GMは戦争のため、設備も、場所も
人員も、専門職も不足している中で生産数も業種も増大させなければならなかった。
自動車を作っている工場が、戦闘機をつくらないといけなくなった。
戦闘機そのものの設計、未熟な労働者が初歩的な作業で的確、迅速に生産できる
部品の設計、組織編制と生産工程の設計、そして膨大な人の訓練。
これら4つの仕事をおこなうのは、人間組織である。その人間組織を
動かしていく方法がマネジメントである。

マネジメントを行う場としての企業について、本書は明らかにしている。
企業にとって一番重要なものが人間組織であると著者は指摘している。
設備でも、資金でも、知的財産でもなく、人間組織であると指摘している。
それは、企業を解体したときに設備や、工場は意味がなくなることで
明らかになるという事実で証明している。

その企業の存続のために、リーダを生み出す仕組がその企業にないといけない。
そのためには、大企業ではスペシャリストが昇進する上でいかに早く
ゼネラリストに脱皮させるかが重要だと著者指摘している。
経営政策は、組織内の人間の行動を方向づけするために必要だ。
経営政策、組織行動と会計システムの過度の重視を防ぐためにも
必要だ。企業では、トップは組織内部から昇進してきている。
そのため、トップも狭い範囲の知識にとどまり柔軟性を失い、組織も
既知のものや安定を重視して官僚化が進む。
変化するためにも、経営政策が必要とされる。

GMは、かって集権と分権のバランスに成功してきた会社であった。
「事業部に最大限の独立性と責任を与えつつ、全体の一体性を保持した。
集権と分権のバランスに成功した。これがGMの分権制である。」
事業部長の権限の範囲を定め、事業部の活動をチェックし、事業部を
支援する。GMの分権制は、コストとシャアを業績の尺度として機能した結果だと
著者は述べている。

また、GMは、結果として理解しなかったが、仕事をする意味は、賃金だけでない
ということも、GMの小さな事業部で、カービン銃をつくることになった事例を通して
説明している。この事業部では、工場経験のない新人を採用することになった。
結果として作業実績は著しく向上した。それは、作業者は何を行うだけでなく
なぜ、行うかも理解したからだ。

GMは1980年代まで労働組合の兼ね合いもあって賃金は上昇させてきたが、
生産性向上しない状態になった。
それは、現在のGMの経営不振にもつながっている。

GMがドラッカーの提言を採用しなかったが、日本企業は採用し経済発展につながった。
「責任のある労働者、マネジメント的視点、職場コミュニティ名づけたものを追求すべき
ことを提言した。」これがマネージメントにおける著者の基調になっていると述べている。


企業とは何か------その社会的な使命
2005年1月27日 第1刷発行
著 者-P.F.ドラッカー
訳 者一上田惇生
発行所-ダイヤモンド社
304ページ
¥2400E

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先の先を読め [経営]


先の先を読め (文春新書)

先の先を読め (文春新書)

  • 作者: 樋口 武男
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/03/17
  • メディア: 新書


先の先を読め

大和ハウスの創設者「石橋信夫」の生き方を現在の大和ハウス会長の著者が
説明する内容になっている。

石橋信夫という人は、パイプ建築によるプレハブ工法をいち早く取り入れた先見性や

家庭で居場所のないベービーブーマーのためにミゼットハウスという勉強部屋を発売したり

自社開発の公団を住宅ローン付きで発売したりという

いままでにないことを次々と実施してきた。

生き方も、シベリア抑留の際は、部下の待遇改善のために主張し、あわや処刑されるまでいったりとか

波乱万丈で、そのため含蓄のある考え方になっている。

「管理職は料理人であれ」これは、私が一番感銘を受けた言葉だ。

上からの指示をそのまま渡してはいけない。

指示を咀嚼して分解して指示を与える。

泥のついたじゃがいもそのままあたえても、だれも食べようとしない。

じゃがいもの泥を洗い、調理して味つけして与えたら皆が食べるのでは

ないか。

管理職の役目を果たさなければ、存在意義がない。

そんなことを思います。


先の先を読め
-----複眼経営者「石橋信夫」という生き方
2010年(平成22年)3月20日 第1刷発行

著 者  樋 口 武 男
発行者  木 俣 正 剛
発行所 文 藝 春 秋
200ページ
¥820E

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ザッポス伝説 [経営]


顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか

顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか

  • 作者: トニー・シェイ
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2010/12/03
  • メディア: ペーパーバック



ザッポス伝説

ザッポスとは、靴のインターネット通販の会社です。
私は、残念ながら知らなかったのですが、アマゾンの完全子会社になったことで
有名になった会社です。2009年のフォーチュン誌の最も働き甲斐のある100社に選ばれて
います。


なぜ、アマゾンが普通の靴の通販会社と提携したのかということが
この本を読めばわかるのですが。

一言で言うと、顧客サービスに徹した会社だということです。
インターネット通販のリッツカールトンというところでしょうか。

ザッポスの人達の文化の中にお客さんを「ワォー」と驚かすといのが
あります。

後ろから近づいて背中を押すのではありません。
サービスの内容で驚かせることを社訓にあげています。
従業員のマインドの中に徹底されているのです。

普通の会社であれば、カスタマーサービスやデリバリーなアウトソーシングする風潮ですが
ザッポスは、コールセンターにかかってくるお客さんの要望に答えることで
成長してきた会社なのです。

この本は、ザッポスCEOのトニー・シェイがベンチャーから成功していく話です。
ジム・コリンズの「ビジョナリーカンパニー2飛躍の法則」に啓蒙されたことを
実際の行動に移したことが
トニー・シェイのすごさです。

「偉大な企業は、ただ単に金儲けや市場で一番になることを超えて、もっと
大いなる目的とかより大きなビジョンを持っているということなんだ」
この言葉を実現するために、レイオフや、会社の移転をビジネスマンとして
大胆に決断していきます。

会社にとって長期的に考え、企業文化に投資するというのがザッポスの考え方です。
ザッポスの強みは、マーケティングがリピート顧客と口コミによりできていることです。
そのためのカスタマーサービスは一例をあげると
顧客がリスクなく取引できるように配送と返送の両方で送料を無料にしています。
365日返品可能というサービスもあります。

コールセンターは年中無休で24時間体制です。コールセンターはオフショアにあるのではなく
アメリカの中で、顧客の息吹を感じる場所にあります。
電話が企業のブランディングに最適なツールだと説明しています。

ザッポスは、顧客だけでなく社員に対しても、「ワォー」という驚きを与える体験を
育んでいる様子が読んでいたわかります。
企業文化を形成する10のコアバリューは、社員が提案したものです。

今は、あらゆることがグローバルにつながっている社会です。
ビジネスの場以外でも、ブランドに影響を受けることがあります。
ビジネス以外の場での社員の振る舞いが好ましいものであれば、
ブランドに良い影響を与える時代です。
逆であれば、最悪です。

著者は、ブランドをつくるのは、企業文化をつくることだといっています。

顧客が熱狂するネット靴店
ザッボス伝説-アマゾンを兼撼させたサービスはいかに生まれたか
2011年2月10日 第4刷発行
著 者 トニー・シュイ
監訳者豊田早苗/本荘修ニ

発行所ダイヤモンド社
第1刷発行

顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか

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トレードオフ [経営]


トレードオフ―上質をとるか、手軽をとるか

トレードオフ―上質をとるか、手軽をとるか

  • 作者: ケビン・メイニー(著)
  • 出版社/メーカー: プレジデント社
  • 発売日: 2010/07/06
  • メディア: 単行本


トレードオフ

商品が売れるためには、上質か手軽かの2軸しかないと著者は言う。
上質と手軽の両方を見ざしたものはことごとく失敗した。
上質と手軽の両方を満たすことは、幻想に過ぎないと言い切る。
上質でも、手軽でもないものは、やがて不毛地帯に埋没していく。
具体的に言うと上質をコンセプトにおいているものを
専用ジェット機とすると手軽は格安航空。
iPhoneが携帯電話の上質で、iPodとiTuneがポータブルステレオの手軽だ。
マクドナルドは手軽路線でうまくいっている。

一方上質であったCOUCHやティファニーが大衆化をはかり、失敗した。
だれでも買えるティファニーやCOUCHなんて誰もほしくないというのが
消費者の気持ちなのだ。
スターバックスもコーヒーを飲みことに付加価値を与えていた
雰囲気を多店舗化で失っていき、業績を落としていった。
低価格戦略のウォールマートはマンハッタンに進出計画しようとして頓挫した。

上質と手軽の両方を見ざそうとするのは、幻想を追いかけるようなものだと
著者は繰り返す。

しかし、本書の中で、上質と手軽さを両方取り入れて上手くいった例を示している。
それは、格安航空ピープルにお客を取られたアメリカン航空が取った
「アルティメイト・スーパー・セイバーズ運賃」だ。
今ではおなじみの方法で、格安運賃は、搭乗の数週間前に切符を購入し、
直前になって購入した人は高値の定価で購入することになる。
この方策で、アメリカン航空はピープルからお客を取り戻した。
しかも高いサービスを誇っていたので、高い運賃で購入した顧客から
背を向けられることはなかった。
この本では解説されていないが上質と手軽を両立させたポイントは、時間で上質と手軽に差をつけたことだ。
このように時間や空間やその他のもので違いをつけることで同じ企業サービスでも上質と手軽を両立できる
可能性はある。しかし、他の場合でも実際に実現するかどうかはわからない。
著者の言うように上質と手軽を両立させるのは、幻想に終わる可能性が高いものだろう。

繰り返すが、サービスや商品を成功させるためには、
上質軸を選ぶか手軽軸を選ぶかを明確にして軸をぶらさないことだ。


トレードオフ
2010年7月17日 第1刷発行
2010年8月20日 第3刷発行
著 者ケビン・メイニー
訳 者 有賀裕子
発行所 株式会社プレジデント社
275ページ
¥1714E

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トレードオフ―上質をとるか、手軽をとるか

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成功の法則92ヶ条 [経営]


成功の法則92ヶ条

成功の法則92ヶ条

  • 作者: 三木谷 浩史
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2009/06
  • メディア: 単行本


成功の法則92ヶ条
インタネット楽天市場を運営する楽天の経営者三木谷さんは。
人間的なサービスこそがインターネットビジネスの鍵だと説明している。
今日のインターネットの隆盛を牽引してきたのは、グーグルだが
テクノロジーだけでは、限界がある。便利な道具であればあるほど
模倣され陳腐化する。そのとき差別化になるのは、人の琴線に触れる
サービスだといことだ。

楽天の中では、ビジネスのスピードと行動の具体化を重要視していることがこの本を読むと
随所にでてくる。
楽天には8分の1プロジェクトというものがあると説明がある。
これは、会議で考えると、頻度を1/2にする。参加人数を1/2にする。会議の時間を
1/2にする。これで会議にかける時間は全体で1/8になる。これが会議時間の削減という
スローガンではなく具体的な行動だ。

自分の鍛え方について、直感を数値化するという項目がある。
直感をえたら、それを具体的な数値にして検証してみる。
すると具体的数値を集めて検証すると自分が漠然と想像した数値より
低くなる。そこで諦めないで、今度は少し遠くから客観的に見る。
どうしたら最初の直感に結び付けられるか、アイデアをだし
数字を挙げる方法を考える。これでビジネスが具体化してくる。

時間軸をみて次にすべきを考えておくという提案がある。
現在の自分はどこにいるかを考え、流れを先読みして
適切なタイミングで手を打てるようにしておくこと。
ビジネスのために重要な考え方だ。
お金のデジタル化の話がある。
遠くない将来お金はネット上に乗せられてしまうだろうと予言している。
これからのビジネスモデルはそのような未来が前提になる。
そうなったときに何が起きるかを考えておくことが時間軸をみて
準備しておくという話につながっている。

ベストプラクティスについても述べている。
世界のNo1の企業がなぜNo1なのかその業績に目を奪われるのではなく
ユニークさに注目して、それをまねたり自分にいかせないか考える
成功の基本原理を考えようという提案だ。

競争社会では、誰もが努力しているがその中で、成功するものと
そうでないものの違いは何か。
著者は、「限界まで頑張ったその上に。さらに0.5%の努力を重ねられるかどうか。
その差なのだ」という。
この文章を読んで、自分に欠けているものは、これなのかなと思う。
最後の0.5%の努力を継続する仕組を作れば、クオリティが二次曲線的に伸びる。
これを三木谷曲線と著者は呼んでいる。

最後のまとめにNever too lateという言葉を読者に示している。
先行したものが有利なのが現在のインターネット社会だと思う。
ファーストムーバーアドバンテージという。
しかし、著者は自身の経験ややればできないことはないというポリシーから
ファーストムーバーになれなかったらベストムーバーを目指せばよいと
いう。勇気付けられる言葉だ。

成功の法則92ケ条
2009年6月25日 第1刷発行
著 者 三木谷浩史
発行所 株式会社幻冬舎
389ページ
¥1600E

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成功の法則92ヶ条

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