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50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか。 [経営]


50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか?

50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか?

  • 作者: 林 總
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2012/10/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか?

50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか。

この質問にすぐ答えられるのは、会計学などをやって来た方でしょうか。
この本は、管理会計の考え方をベースに、公認会計士の著者が
経営に役立つ考え方を、物語を通して教えてくれるものです。


限界利益という言葉は、経済学をかじってきた方ならご存知だと思います。
この本の題の答えは、表面的に考えると
物語の主人公のヒカリが答えたように、定価がいくらであろうと
「材料費を50円削減すれば限界利益は50円増え、売価を100円増やせば、
 限界利益は100円増えます。」

つまり100円値上げのほうが、管理会計的には儲かるように思えます。
 しかし、料理の値段を決め、材料費を限界利益率を計算すると
 限界利益率は、材料費削減50円のほうが数%ですがたかく、
 売上高、販売数、限界利益を求めると50円コスト削減のほうが
 100円値上げより限界利益が高い。つまり儲かるという事がわかります。
 ここは、詳しくは本で確認してください。

この本で出てきたものの中で、覚えておきたいものは
利益ポテンシャルです。
利益ポテンシャルは、限界利益率X在庫回転速度で求められます。
限界利益率:限界利益/売上高  在庫回転速度:売上高/在庫金額

利益ポテンシャルは値の高いほうが儲かることを表す指数です。
利益ポテンシャルが一定であれば、縦軸 限界利益率、横軸 在庫回転速度とすると
反比例のグラフ(第1象限)になります。
商品Aと商品Bが同じ利益ポテンシャルの場合、同じ反比例の曲線上にのります。
例えば、商品Aが限界利益率0.5で在庫回転速度10回、
商品Bが限界利益率0.25で在庫回転数が20回とすると
両方共利益ポテンシャルは5で同じ曲線上にあります。
したがって商品Aと商品Bは、どちらも同じ儲かる能力があります。

逆に言えば、限界利益率だけで判断すると間違えるということです。
例えば商品Cが限界利益率0.3で在庫回転速度20回の場合、
限界利益率で比べると商品Aのほうが儲かるように思えますが
限界ポテンシャル6の商品Cのほうが儲かると言えます。
薄利多売でも回転の良い商品のほうが利益がでるということです。
これが安売りしても儲かっているお店の原理です。



50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか?
2012年10月4日 第1刷発行
著 者 林 總
発行所 ダイヤモンド社
227ページ
¥1500E


50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか?

50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか。 目次

50円のコスト削減と100円のどちらが儲かるか?

Prologue ファミレス戦争勃発!?
▼カッパーズ出店戦略会議にて 004

Part1 ヒカリのクラークシップはじまる
大切なのは現場での経験
▼東京経営大学 安曇研究室 016
▼ロミーズ本社にて  021
▼千の端店でアルバイトはじまる 026
▼シフト表の説明 031
▼お店が最も混むピークタイム 035

Part2 決裁書はトップ・シークレット 
損益計算書には利害関係者が並んでいる
▼24カ月連続赤字! 038
▼早急にアルバイトの削減に着手すること 040
▼ヒカリの決断 042
▼クラークシップ延長へ (@安曇研究室) 046
▼赤字の意味 048
▼損益計算書には利害関係者が並んでいる 051 
▼変動費と固定費 054

Part3 女性はなぜ、高価なトリュフを買うのか?
限界利益は会社が創った付加価値

▼人員整理とバイト代の一律カット 060
▼有楽町の有名スイーツ店 063

Part4 アクションプランはノウハウの固まりだった
赤字会社を黒字化する方法

▼アクションプラン、固まる(@ロミーズ本社) 070
▼CVP図で利益計画も思いのまま 078
▼店長がしかけたワナ(@千の端店) 084
▼アクションプランに隠された意図 087

Part5 決算書だけでは、真実はわからない
バランススコアカードの四つの視点

▼店の雰囲気が悪くなる 098
▼オーケストラの指揮者 100
▼決算書は過去の結果に過ぎない 103
▼バランススコアカードの四つの視点  105

Part6 お客様の声は天の声
″顧客の視点″で仕事を見直す

▼売上が激減、赤字が膨らむ 112
▼商店街のアンケートボックス 114
▼イヤがる真奈美を説得 117
▼予想以上に厳しい評価 121
▼人気メニューを売れば売上アップ(@経営企画室) 126

Part7 キツチンには宝が埋まっている
業務プロセスを見直す

▼小さな光が見えてきた 130
▼となりのビルにカッパーズが出店!? 132
▼日暮里の寿司屋にて 137
▼生産性を向上せよ 140
▼コストの削減 142
▼資産の活用 145
▼在庫の回転速度を速める 146
▼本日のおさらい 155
▼キッチンは宝の山 158

Part8 50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか?
    学習と成長の視点
▼ロミーズ社長室 162
▼未解決の課題 164
▼赤坂の中華料理店 166
▼お客は何のために店に足を運ぶのか 171
▼社長のエゴでやめるにやめられない商品 174
▼学習と成長の視点 178

Part9 逆転の発想がロミーズを救う
個人の力を結集してチームで乗り切る

▼ロミーズ店長会議 184
▼店長たちの反乱 185 
▼アクションプランは間違いだった 188 
▼ピザ窯をどうするか  194
▼赤字だけど儲かる季節メニュー 197
▼捨てる食材をなくす 199
▼サラダバーを固定費に 200
▼杏仁豆腐はこまめに売れる分だけ仕入れる 204

Part10 千の端店に奇跡が起きた!
33カ月ぶりの黒字達成、そして11
▼ロミーズが息を吹き返した 208
▼1月15日 カッパーズ開店 211
▼カッパーズ役員会 216

Epilogue 最後のレクチャー

▼高級フレンチでのクラークシップ修了祝い 218
あとがき 224 


[著者]
林 總(はやし・あつむ)
公認会計士、税理士、LEC会計大学院教授(管理会計事例)。
1974年中央大学商学部会計科卒業。外資系会計事務所、監査法人勤務を経て独立。経
営コンサルティング、執筆、講演活動などを行っている。
主な著書に、ベストセラーとなった『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』
『美容院と1000円カットでは、どちらが儲かるか?』『コハダは大トロより、なぜ儲か
るのか?』『[新版]わかる! 管理会計』(以上、ダイヤモンド社)、『ドラッカーと会
計の話しをしよう』(中経出版)、『会計物語 会計課長団達也が行く』(日経BP社)、『貯
まる生活』(文蛮春秋)などがある。

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